【コラム004】はじめてのD&D④

はじめてのD&D④

こんにちはこんばんは。mitakaです。
先週まででD&Dをはじめるにあたって必要な物理的ものを解説してきました。
今回は役割分担と心構えを解説していきたいと思います。

役割分担

TRPGには大きく以下の二つの役割分担があります。

  1. ダンジョンマスター(DM)
  2. プレイヤー(PL)

ダンジョンマスター

ダンジョンマスター(DM)は必ず1名必要で物語の「語り部」であり、
TRPGのゲームの裁定を行う「審判」でもあります。
「語り部」としては、プレイヤーキャラクター(PC)の前で何が起こっているのか、
敵がどのように行動したのか、その地方の気候や特徴は何かを語ります。
「審判」としては、プレイヤー(PL)が行おうとしていることができることか、
できるのならば難易度はどのくらいか、実際に成功したかを判定します。

DM「君たち冒険者は洞窟へと足を踏み入れた。
  目の前にはドワーフが作ったであろう石造りの門が閉ざされている。
   その向こうでは聞きなれない言語で何者かが言い争いをしている。
   さぁ、君たちはどうするだろうか。」

プレイヤー

一方でプレイヤー(PL)はDM以外の参加者です。1人以上何人でも構いません。
ただし、多すぎるとDMのマスタリングの難易度が上がるので、プレーヤーは5人くらいまでが良いところでしょう。
PLはそれぞれ自分のプレイヤーキャラクター(PC)を操ります。
やることは自分の分身である冒険者の役を演じることです。
敵とであったら、自分のPCは何をするのか、
敵を攻撃するのか、説得するのか、逃走するのか。
町の人と出会ったらどのような会話をするのか。
動作を宣言してもよいですし、PCになりきって声色を変えて語りかけてもよいのです。

PL1「よーし、そうだなぁ。まずは聞き耳を立てて扉の向こうに何人いるか聞き分けるぞ!」
PL2「私は、その間、後ろを警戒しよう。」
DM「それじゃあ、PL1は聞き耳判定だ。判断力修正でd20を振ってみて。」
PL1「5。判断力修正は+1だから、6だね。」
DM「なるほど。それでは、PL1のPCには何人いるのかは聞き分けられない。」

プレイヤーとプレイヤーキャラクター

プレイヤー(PL)とプレイヤーキャラクター(PC、キャラ)は似ているようで、違います。

  • PL:現実世界の参加者
  • PC:D&D世界の冒険者

という使い分けになります。
意識しなければならないのは、ロールプレイはPCになりきる必要があるということです。
たとえPLとして知っていても、D&D世界の中のPCはその敵の弱点は知らないかもしれません。
その場合はたとえ知っていても知らない体で話を続ける必要があります。

誰がDMをやるか

さて、誰がDMをやるかは大きな問題です。
結論から言いいましょう。
D&Dをはじめようと思って今これを読んでいるあなたがDMをやるのに一番適任です。

DMは物語の骨組みを準備し、ダンジョンを用意し、
モンスターを揃え、町の人の声色を出し、
時にはダンジョンの奥に潜むボスをも演じます。
さらにはルールの裁定者として決定を下し続け、
情景を語り続けなければなりません。
この仕事はとても大変ですが、やりがいのある仕事です。

はじめてD&Dをやろうと思ったあなたがやるしかないのです。
セッションの準備は前回の必要なもので書いた道具と、スターターのシナリオがあれば完璧です。
ルールについても恐れる必要はありません。
ベースのルールはあれどD&DはDMとPLが力を合わせて作っていくものです。
ハウスルール(仲間内のマイルール。ベースルールに反しても良い。)をどんどん作ることは問題ありません。
重要なことは一貫性があり、参加者間で納得感があることです。
基本はその世界でそのことが可能かどうかを判断することです。
そしてどうなるか分からないことはダイスに聞けばよいのです。

はじめてのことに恐れずに是非DMとして新しい世界を創り出してください!

ゲームの目標

TRPGの特色のひとつがゲームの目的です。
ボードゲーム等に慣れた人であればルールを聞いて一番気になるのが勝利条件ではないでしょうか。
D&Dそして多くのTRPGでは、「ラスボスを倒す」「高得点を得る」などのゲームの明確な目的は実はありません。
強いて言えば「わくわくするような冒険をみんなで楽しむ」ことがゲームの目的になります。
このことはとても重要です。DMは強い敵を出しPLを苦しめることに夢中になってはいけません。
PLも他のプレイヤーを無視して振舞ってはいけません。
DMもPLも皆で楽しい冒険を作り上げる意識を持つことが重要です。

次回予告:キャラクター作成

さて、次回はいよいよ初回参加者に集まってもらって実施するキャラクター作成です。
D&Dの醍醐味の1つはキャラクター作成です。
人気のTRPGである『クトゥルフの呼び声』(CoC)とD&Dの大きな違いがここにあります。
CoCではキャラが簡単に死にますが、
D&Dではキャラはとても長い期間育成していきます。(ロストもありますが)
実時間で1年間、ゲーム内時間では数十年間を過ごし、
少しずつ伝説を積み上げ自分の理想の冒険者ライフを送るのです。
ゲームを始める時点に当たってはPCの背景、これまでの冒険、
家族構成は全てPLの妄想によって組み立てることができます。
キャラクター作成はただのゲームの前処理と思わず、
時間をかけて自分の分身をつくりましょう。

ではでは!

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